日本の林業の現状と、森を活用した減災の必要性について 技術【7年】

森林や木材の利用を学ぶ取組

木材の学習や利用を通して、森林(人工林)の保全や、防災(減災)についての教育(取組)

9月19日、各地の林業の現状や、人工林や間伐の必要性について学びました。

左側:去年度手入れをした学校林の間伐した丸太。

中央:山形県のモクロック(MOKULOCK)。(8種類の木で作ったレゴブロックみたいなブロック)

右側:飛騨市(岐阜県)の木製立体パズル。


奈良県は、「奈良の木ブランド課」を通して、県産材の促進に力を入れています。日本は木の文化の国なので、全国各地に林業が盛んであり、人工林の間伐による森の手入れの必要性は、奈良だけの問題でなく、全国の抱える大きな問題です。

吉野木の特徴について学び体感しました。左写真は、実習に使う板の表面処理と同じ処理をした超カンナ仕上げ(機械のかんな)のカンナくず。

1学期行った「神戸 郊外学習【7・8年】」で灘駅を利用しましたが、灘と吉野杉は深い関係があります。


吉野杉は、灘のお酒を江戸に運ぶ樽に最適だったことから発達してきました。

酒の味を邪魔しない吉野杉は、吉野の地質(土の栄養)によるものであり、その後、密集した植林で年輪を細かくすることでより気密性の良い板を作るようになりました。


10月から、3学期にかけて、吉野のヒノキの無垢材も使って、本棚を作っていきます。(今年は、集成材と吉野産無垢材を併用します。)

県産材の利用と減災をPRした奈良公園バスターミナルの「奈良の木立て看板」

なぜ、実習で県産材を使うのか?

①間伐など、林業を通して、しっかり人工林に手を入れしないと、土砂崩れの原因になる。

②土砂崩れで流れた木や、山に放置された間伐材は、増水の時、流され橋を破壊しかねない。

③土砂崩れの土砂は、川に流れ、川を埋めていくので、河口の都市部の水害の危険性をあげる。

など、防災や減災の観点を中心に話をしています。


さらに、今年は、

④林業の衰退は、産業(仕事)の変化や、地域社会(生活基盤)にも影響が出てくる。

このような点も触れました。


・平成30年度 県産材を使った木材加工実習 技術【7年】


追記:令和元年台風第15号で被害の大きかった千葉県では、大規模停電と復旧が長引いた要因の一つに、林業の衰退による人工林の手入れ不足があると言われだしました。

登録日: 2019年9月19日 /  更新日: 2019年9月19日