←右側の目次の【3Ⅾパズル解説 3D printer】と、その中の小目次に、3Ⅾプリンタ関連の記事があります。
3Ⅾモデルデータの無料配布について
〇このページの無償での3Ⅾモデルデータ公開(配布)は、産業革命以降の「物の所有独占の時代」から、IT革命以降の「情報の共有の時代」に対応した物作り教育の試行錯誤の一環です。
〇無料配布の3Ⅾモデルデータを使って、手元の3Ⅾプリンタで作られても良いですし、データではなく造形物をまず取り寄せることで、3Ⅾプリンタの購入の検討や要求をしやすくなると思います。
〇3Ⅾプリンタでの3Ⅾパズルの製造過程を生徒が見学できるようにするだけでも、生徒は、興味深く食いついて3Ⅾプリンタを見てくれます。
さらに、できた3Ⅾパズルを生徒が手に取って分解組立することで、立体認識の知育教材としても使えますし、現物を実際に触ることほどいい学びはありません。
木材加工の実習前の休み時間の様子。
手前の集団が、3Ⅾプリンタの製造風景を食い入るように見ています。後ろの集団は、右写真です。
【3Dプリンタでの工夫】この3Ⅾプリンタは密閉式でないので、段ボール箱を使用して外気温の変化に影響されないように工夫しています。正面は透明の板で観察できるようにしています。
できたてのピンクの3Ⅾパズルを、土台(ラフト)からはずしています。
ろうかに展示され、気軽に3Ⅾプリンタ製の3Dパズル(孔明鎖、魯班鎖)を体験する昼休みの様子。
★今までより手軽に3Ⅾモデルを入手できる選択肢が増えました。
・東書Eネットでは、本校の授業で利用した多数の3Ⅾデータの無償ダウンロードできます。
・開隆堂技術分野学習指導書 関連データで多数の3Ⅾデータの無償ダウンロードできます。
「東京書籍の東書Eネット」と
「開隆堂の技術分野学習指導書」に
執筆した同等の内容を見ることが出来ます。
↑教科書会社の協力で、より簡単に3Dデータをダウンロードできるようになってます。
1.1 木工の実習の組立を助ける自作の冶具(クランプ)。
Corner Clamp(Clamping Jig) made with 3D printer.
◇沖縄県立大平特別支援学校 中学部より、活用のお便りがありました。
◇【中2有志】奈良県月ヶ瀬小中学校との交流会(追手門学院中学校)
クランプを使って両手で接着剤をぬる新たな使い方が見つかりました。
〇 令和2年度の実習風景 新たに設計した新型も併用して実習しました。
・平成30年度の実習風景
ファブ施設のウェブページでも紹介されました。
◇この木工実習の冶具(クランプ)は他校などでも採用されています。
・生駒市の中学校(平成30年度~)
・奈良市少年少女発明クラブ(令和元年7月~、小学3、4年生の木工工作にて。)
※木工実習の冶具(クランプ)は、多少のストックがあります。
(3Ⅾプリンタが身近にまだないが、)興味のある方は、ご連絡ください。
応相談で、出力(印刷)された造形を送ることも可能です。
厚さ20mmまで対応するので、1×4(ワンバイフォー)規格の板も使えます。
【3DCADでの工夫】治具に9か所の小さな円柱の穴を空けてあるのは、右下図のような中の補強パターンに左右されず確実に補強するための工夫です。治具の利用する中で、素早いPDCAを繰り返し、補強や改良を重ねこの形状になりました。
3Ⅾプリンタ自身、日々、発展します。中の補強パターンもハニカム(6角形)構造から、より立体的に複雑なパターンも登場しました。
【3DCADでの工夫】底面の辺を面取りするのは、2つの理由があります。
3Ⅾプリンタのテーブルが加熱できない場合、ラフトを使うので、ラフトの面積を減らし、消耗するフィラメントを節約する。
3Ⅾプリンタのテーブルが加熱できる(ヒートベッド)場合、ラフトはいらないので、接着面積を減らしたり、テーブルと造形物の間に、へらが入りやすくする。
もう一つは、ヒートベッド式は、造形の底辺部分の収縮が他の部分より少なく、ふくらみがちです。そこで、ふくらみが、板に密着する時に邪魔にならないようにあらかじめへこましています。
1.2 横断的学習実習の生徒作品
STEAM教育を意識して、数学と技術を横断的に学習した実習の生徒作品
生徒作品の3Ⅾプリンタの立体造形。(奥の置き方が違うものは、例に使った造形)
令和元年度の授業を終えて、手直しをし令和2年度に使った課題プリント。
(今回使用した課題プリントは、空間図形(数学)の製図 夏の課題 技術【8年】R1で確認してください。)
1.3 横断的学習で例示した造形例
3Ⅾデータで、画面上で立体を動かして、確認することもできます。
数学の空間図形や、技術の製図で、見本用の教具として、いかがでしょうか。
3Ⅾプリンタで出力用にまとめた2種類のセット
上段の造形より多くの例示用の3Dデータ
1.4 丈夫な構造(破壊試験と非破壊試験用)
材料代はかかりますが、簡単に作れるので、手軽に破壊試験をすることも可能です。
破壊試験用(押す、引く、ねじって、強度の限界を体験する。)
非破壊試験用(ひずみむ具合を体験する非破壊用)
工夫して配置すると、9個から15個まで一度に作れる量を増やせます。
足の長さを変えると、「てこの原理」が発生して、角にかかる力がかわります。
・3Ⅾプリンタ製の部品の耐久試験(破壊試験) 技術【8年】 平成30年度
3Dパズルの失敗した造形を利用。
↓
・じょうぶな構造と3Ⅾプリンタ 技術【7年】 令和元年度
丈夫な構造を学ぶ時に、見て触って、力をかけて違いを確認
↓
・製図(目の錯覚)と、じょうぶな構造 技術【7年】 令和2年度
長さを変えることで、「てこの原理」の違いも学べる。
生徒によると、短い方より長い方がおりやすかったそうです。
【3DCADでの工夫】
自作の冶具(クランプ)を例に出すと、壁の厚さと高さの比率を調整することで、壁の強度が大幅に変わります。
2. 3Ⅾパズル
2.1. カーボンパズル。Carbon Puzzle
2.2. 籠中取宝(孔明鎖、魯班鎖)
知育玩具として、有名な立体パズルです。
木製と3Ⅾプリンタ製の見本を、授業で例示し、その加工特性の違いを学んでます。
※本来は、2種類のパーツですが、3Ⅾプリンタ製は、より良い状態にするために、パーツの種類を3種類に改良しています。
【3DCADでの工夫】
木製のパズルは、湿気による木の膨張収縮を考慮して遊びのすき間があります。この3Ⅾプリンタ製のパズルでは、遊びを作っていません。
一般的に下図の左のように3Ⅾプリンタの構造上、凹部分の直角の部分が甘くなるため、結局、遊びを作るはめになります。下図の右のように小さい円を組み込むことで、製図を工夫してすることで、するどい直角を作っています。
イメージ図:黒は製図データ、赤は実際にフィラメントが一筆書きして作られる造形の形。青枠の部分の違いが、部材の組立がきつくなる原因を作る。
この工夫は、フィラメントを積層する向きによっては、必要ありません。
3. 製図を学ぶ時に便利な模型。3D molding 3次元造形
3.1 製図の授業で使う模型セットA
3.2 製図の授業で使う模型セットB
3.3 製図の授業で使う模型セットC
3.4 製図の授業で使う模型セットD
4. その他
4.1 ラフトの浮き対策
【3DCADでの工夫】ラフト(土台)が、温度の関係で、収縮し浮く症状の対策。四隅に配置して、ラフトを大きくして、浮きにくくします。
4.2 ベクトル平衡体(黄色)Vector Equilibrium
このベクトル平衡体は、トーラス構造を最小の頂点数で構成しています。※参考のトーラス構造(緑)は、付きません。
4.3 立方体の枠の中に球体(Ball in Cube)の改良進化型
3Ⅾプリンタなら、組立なしにこんな形も作れます。Ball in Cube,Ball in Box,Sphere inside of Cube.
・立方体の枠の中の球体 2 「主体的・対話的で深い学び」 技術【8年】
灯篭の装飾の獅子の口の中の玉など、切削技術を駆使すれば、このような形を作ることは可能です。
球体をくし刺しする円柱を追加し、難易度が上がっています。
【3DCADでの工夫】立方体は、3Ⅾプリンタ出力時には、空中の造形に対してのサポート材(枝)を最小限にするために、斜めにして出力しています。さらに、製図の時からそのこと想定して、面取りをしたり、球体をつらぬく柱を入れたり工夫しています。
この[4.3 立方体の枠の中に球体]の公開は、令和元年12月27日(仕事納めの日)に、3学期の授業の予告としてアップしました。
2学期は、空間図形や全自動ルービックキューブの出前授業など、立方体に関わる機会も多く、昔から温めてきたアイディアを製図しました。
翌日(12月28日)の某テレビ局の「都市伝説、外伝」で、「Cube(立方体)」が取り上げられました。そこでは、人工頭脳学を意味する「Cybernetics(サイバネエティクス)」の語源が、ギリシャ語の「物事の舵を取って、進すべき道を決める」操舵手を意味する「kubernetes(キベルネテス)」である。「我々をコントロールする」という意味をもつ「キベルネテス」の語源の「キュベレー」と、立方体の「Cube(キューブ)」は、元は同じ語源から派生したと取り上げられ、若者を中心に「Cube」に注目が集まっています。
この偶然を追い風に、空間図形(数学)や、3Ⅾプリンタによる造形や、STEAM教育の面白さにも注目されれは幸いです。
4.4 観察池・ビオトープの排水口
PDCAの一環と、技術向上の目的で、初期型を設置後、その製作の経験を元に、CADの最初から、穴の曲線を意識して再設計。
事前に穴の形状を別に作って、作った形状で本体をくり抜いている。
穴の形状が3次元でカーブするなど、複雑にできている。
再設計している時にひらめいて作ったカットモデル。
より、複雑な穴の形状をわかりやすく見るために製作。
旧来のカットモデルのように、完成品を切って作らないので、きりしろの隙間がなく、ひっつけると完全な形状になる。
【3DCADでの工夫】穴を三角形にした理由。
・切削の穴開けは、ドリルでするので円柱状の穴。
・3Dプリンタは、積層造形なので、下が中空だとうまく形が作れない。
→だから、○や□では型が崩れる可能性があるので、△に工夫。(◇でも良い)
【3DCADの特徴】3Dプリンタは複雑な形状も作れる。
・3Dプリンタでは、製図=製作が可能であり、設計の自由度の幅が広がる。
・3DCADで、より複雑な製図が可能になる。
・切削加工ではできなかった複雑な穴も簡単に加工できる。
5.1 百問計算 四則計算の枠 【配布データを新しくしました】 STEAM教育の一環です。
3Ⅾプリンタ(3DCAD)をあつかう場合、空間図形の認識力や寸法の計算など、数学的要素が多分にあります。
↓表計算ソフトのデータを入手できます↓
百問計算 四則計算 基本枠改 [ 54 KB xlsxファイル]令和2年5月11日
臨時休業中の4月の自由選択課題「エクセルの関数を学ぼう」の解答例です。
※改修された新型のデータは、より簡単に百問をランダムに作れます。
マクロを使わず、関数で作っています。
ページレイアウトがずれている場合は、修正してください。
新型コロナウイルスによる臨時休業において、中学校では、毎日、四則計算の百問計算をする課題をだしています。
100問の計算は、1分半くらいででき、4種類の各100問と、答え合わせを合わせると、だいたい30分でできます。
関数を使って変数の数列を整理したシートの画面
5.2 4×4魔方陣 数字パズル STEAM教育の一環です。
前回の百問計算のデータ配布が好評だったので、魔方陣(数字パズル)も公開します。
まずは、魔方陣を考えさせてから、答え合わせに、このデータを使うと計算(算数)とプログラミング的思考を学べると思います。
↓表計算ソフトのデータを入手できます↓
4×4魔方陣 数字パズル [ 16 KB xlsxファイル] マクロを使わず、関数で作っています。
※足し算の式、簡単な関数や「分岐処理」について、体験できます。
魔方陣を取り入れた他の小学校でも好評だったそうです。
これは、昔、技術の授業で表計算アプリの実習をする時に導入で使っていたデータです。
6.1 製図の描き方の解説動画
・反転授業(オンライン授業)と動画(デジタル教科書)のさらなる活用に向けて
上のリンク先に、等角図の描き方動画と、キャビネット図の描き方動画があります。
もし、ご興味があれば、技術の製図の学習などにお使いください。